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俳優さんに質問!【磯貝誠篇】

Pカンパニーオープニング記念『日替わり2本立て2ヶ月連続公演』、前半のA/Bプログラムが終了いたしました。
昨日は日がさしたり曇ったり、風も強くてなんだかへんなお天気で最終的には雨が降り、『ポンコツ車と五人の紳士』千秋楽にふさわしい一日。
公演を終えて、吊りこんだ照明を降ろし、スタジオでの打ち上げ……そして朝まで……。

オファーを受けてから今日までの約5ヶ月、夢のような時間が終わりました。
過ぎ去ってみると、しつくせなかったいろいろなこと、後悔や反省の数々がみんな、これからの新しい夢になって私の手元に残り、お芝居をまたひとつ、誕生させることができたよろこびと安堵感が秋の風の中を漂っているようで、しあわせです。
原知佐子さん、磯辺万沙子さん、Pカンパニーの皆さま、スタッフの方々、ご来場のお客様方、応援してくださったり、関心を持ってくださったすべての方々に、心から御礼申し上げます。どうもありがとうございました。



さて俳優さんインタビュー最後のお一方は
『ポンコツ』チーム、二人目の紳士を演じる磯貝誠さん。
やわらかな声と話し方、ふわりとしたくせっ毛、小柄な体つきに、いきいきとした表情、すべてがあいまって「永遠の少年」と呼びたくなる「まこちゃん」こと磯貝さんは、来月、竹本穣さんの新作『百歩蛇と馬頭琴』にご出演。同期の内田龍磨さんとの二人芝居です。すでに始まっている新作の稽古と夜公演の間の短い休憩のひとときに、演出家の小笠原響さんと二人、ベンチに座っているところをキャッチしました!
俳優さんに質問!【磯貝誠篇】_d0024220_21135771.jpg

「では、質問です。響さんも後でお話聞かせてくださいね」
「はーい」
「恒例の質問なのですが、まこちゃんは車は好きですか?」
「好きですね、うん。持ってないけど」
「持ってないんだ」
「うん。田舎にいたときは持ってたんだけどね。車がないと生活できないところだから」
「どこですか、田舎?」
「愛知県西尾市ってところ。三河です。うなぎで有名な一色の隣です」
「西尾市の名物は何なんですか?」
「ええと……お茶だな。抹茶なんかは静岡よりも西尾のものがいいって言ってくれる人もあるんですよ」
「へぇ」
「18で免許とって2年間乗ってた。解体業者の友達がいて、安く手に入れられたんだよね。親父もちょっと出してくれたけど」
「二十歳までってことね」
「そう。それで東京に来たんで」
「それからずっと芝居を?」
「そうですね」
「今では全然運転しない?」
「妻の実家に帰ったときにしたりとかはあるけど……まあねぇ、酔っ払えないしね」
「まこちゃんは時々、自転車で稽古場に来るって聞いたけど?」
「きますよ、天気のいい日はね」
「今は自転車にはいい季節ですよね。
さて、今回のお芝居はやっていてどうですか?」
「新しい集団になって、気分をあらたに芝居づくりに取り組んだって感じですね。今まで、稽古中に『俺はこう思う』なんてあんまり言わないほうだったんです。でも今回は演出家も含めて同世代だったし、みんなでああだ、こうだ言いながらやったのが面白かった。ああ、こいつこんなこと考えてたんだなあって発見したりしてね」
ここで隣に座っていた響さん、いきなり「じゃ、阿藤さん、また……」とさっそうとお帰り。
「あ、響さん帰っちゃった!次の芝居のこと聞きたかったのに……(笑)」
「あはは……。とにかく、自分の考えていることを感じてもらうってのは嬉しいよね」
「そうですね」
「今回うれしかったのはね、大先輩の俳優さんがきてくださって、『しあわせな男』をふくめた演目について、『再出発にふさわしいものを選んだね。それにふさわしい出来になってるよ』と言ってくださったこと。あれは嬉しかったな」
「『しあわせ』の方もですか。それは私も嬉しいです!
では響さんは帰っちゃったけど、来月の演目、『百歩蛇と馬頭琴』について……」
「稽古はじまって数日なんだけど、作家の竹本さんもかなり不思議な方だなぁって思っています」
「そうなんだ」
「面白いよ。竹本さんは今回、なんていうか……イメージを浮かべてもらいたいってことで、擬音みたいなのを意識して使ったんだって。読んでみると確かに、それはかなり浮かんできて面白いな」
「ふぅん……竹本さんってデザイナーとしてのお仕事もなさってる方だから、そういうイメージ的なものに強くていらっしゃるのかもしれないですね!」
「ああ、そうだねー。今は台本について作家と演出家が話したりとかも稽古の中でしているんだけど、響ちゃんっていう演出家はほんとに信頼できる人なんですよ」
「そうですか」
「今までも演出助手として一緒にやってきたりしたんだけど、たとえば演出家の言っていることがポンとこっちに入ってこないときも、響ちゃんに聞くとすっとわかるんだ」
「ああ、わかります。私も今回少し、響さんに演出のこと相談したりしたんですけど、アドバイスが的確で、すごく安心させてもらえました。
相手役のうっちゃんはどうですか?同期なのに共演はあまり経験ないんですってね」
「そうなんだよね。だから今回はあいつとやりあいたいんですよ。こいつに負けるか、みたいなギスギスしたことじゃないんだけど、やりあいを楽しんでる感じ」
「うっちゃんは、『しあわせな男』をご覧になった方には、“役がぜんぜん違うけど、やっぱりこの人だなって思ってもらいたい”と話してましたけど、まこちゃんは今月のお芝居を見て、次を見てくださるお客さまにはどんなメッセージを送りたいですか?」
「逆にね、うっちゃんも俺も全然違うんですよ、違う二人を見に来てくださいって言いたいなあ。実際、相当ちがうし、違えたいと思っています」
「新しい面を見られるのも、その人らしさを見られるのも、どっちも楽しみです!」
◆                ◆
さて、その後、『しあわせな男』千秋楽の夜の小さな打ち上げ会で、仲良しのお二人が隣同士に座っているところをキャッチしたので「おまけ篇」をお送りします。うっちゃんまこちゃん、はい、チーズ!
俳優さんに質問!【磯貝誠篇】_d0024220_21401011.jpg

あとう「同期生ということで、思い出はたくさんあると思うけど、印象的なのは何ですか?」
まこちゃん「松田優作が死んだとき。ええっ死んだのか!ってショックで、誰かとそのこと話したいなって思ってるときに、うっちゃんが電話くれてさ」
うっちゃん「ほんと?俺、覚えてない!ぜんぜん記憶にない!!」
まこちゃん「えぇっ!覚えてないの???」
あとう「あはは。やっぱりうっちゃんの言う通り、二人はあってるようでずれてるんだな。面白い……。この二人の芝居は、どんな風になるのかなあ」
まこちゃん「俺はね、こんなこと言うとおこがましいかもしれないけど、この現場はちゃんと才能が集まってる気がするの。自分にこだわらず、こっちのほうが面白いんじゃない?なんていいながら、作品に近づいていきたいと思ってる」
うっちゃん「そうだね。響さんとの稽古って、まだ3、4日なのに、それでわかるってことがすごいと思う。お、やっぱり面白い!って思える」
まこちゃん「まかせちゃおう、みたいなね。芝居作りってさ、自分のやり方に固執してると、楽かもしれないけど、よくないよね。演出家にいじめられて、というか、厳しく言われてつらい思いしたほうがよかったりする」
うっちゃん「『しあわせな男』の稽古は厳しかったよ。うーん、クソーッとか思ったりすることが大切なんだよな。今回の稽古も苦しんで、ちょっとでも作品をよくしたいと思っています」
あとう「お稽古のぞきにいかせてくださいね!」
まこちゃん「どうぞどうぞ!」
by atohchie | 2008-10-20 21:51 | 缶詰召し上がれ(ご案内)


阿藤智恵の「気分は缶詰」日記/劇作家・演出家・翻訳家(執筆中は自主的に「缶詰」になります)=阿藤智恵の日記です。


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Pカンパニー番外公演その弐「岸田國士的なるものをめぐって~3人の作家による新作短編集~」竹本譲さん、石原燃さんと、短編を1本ずつ書きました。私の作品タイトルは『曼珠沙華』です。
★雑誌『テアトロ』10月号に三本そろって掲載されています。
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こちらの
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