架空・お悩み相談室42『繰り返しが虚しい』
【お悩み】
悩み事なんですが、毎日毎日、献立を考えて、材料を揃えて、調理して、家族に食べさせて、洗い物をして、の繰り返しが虚しくなったときはどうすればいいのかな~と思います。よろしくお願いいたします。(蒼いオオカミ。さんのお悩み)
【回答】
人はしばしば、人生の意義を見失い、虚しさに苦しみます。
それは、古来から人間が繰り返してきた、英知の第一歩です。
毎日の食事の支度とその後始末の繰り返しは、すなわち、生きることそのものであることを、理解してください。
人の一生とはなんでしょう。
食べる、消化する、排泄する、の繰り返し。
起きる、活動する、寝る、の繰り返し。
産まれる、育つ、産む、育てる、死ぬ、の繰り返し。
こうした繰り返しが皆、同じ一つのもの、すなわち、生きることそのものであって、
かつ、生きることはこうした虚しい繰り返し以外のなにものでもありません。
人に限らずあらゆる命が生きるということは、生きるということそのもの以外には意味のない営みです。
意味がないということを知ることからしか、それこそが意味であるという真実の理解は始まらないのです。
私たちは皆、産まれてこなくてもよかったのであり、おいしいものや、栄養バランスのとれた食事をとらなくてもよいのです。
しかし私たちは、産まれてきました。
それはなぜでしょうか。
作らなくてもよい、おいしそうで、おいしくて、栄養バランスの良い食事を、何年間も支度し、食べさせ、片付け続けてきたあなたこそ、私たちが産まれてきたことの意味を知る人です。
産まれてこなくてもよかった私たちが現に産まれてきて、生きていて、祝福されていることの意味を知るのは、私たちを生かしてきたあなたがたのような人々なのですから。
たとえ今は、虚しさにとらわれ、意味を理解することができなくても、絶望することはありません。
虚しさに苦しみながらも、今日も食事の支度をするあなたがたの手の中に、意味があります。
頭での理解は、行為にまさるものではありません。
虚しくとも続けることです。
ただし、あなたは食事の段取りをつければそれでいいのであって、何もあなた自身でそれを全てしなくてはならないわけではありません。
サボタージュし、ストライキし、革命を起こすことも悪くはありません。
もう少し賢く立ち回るなら、かつて私の母が私にさせたように、家族の誰かにその仕事をさせる仕組みを考えることなどは、実用的でデメリットのない、新しい楽しみになるかもしれません。
悩み事なんですが、毎日毎日、献立を考えて、材料を揃えて、調理して、家族に食べさせて、洗い物をして、の繰り返しが虚しくなったときはどうすればいいのかな~と思います。よろしくお願いいたします。(蒼いオオカミ。さんのお悩み)
【回答】
人はしばしば、人生の意義を見失い、虚しさに苦しみます。
それは、古来から人間が繰り返してきた、英知の第一歩です。
毎日の食事の支度とその後始末の繰り返しは、すなわち、生きることそのものであることを、理解してください。
人の一生とはなんでしょう。
食べる、消化する、排泄する、の繰り返し。
起きる、活動する、寝る、の繰り返し。
産まれる、育つ、産む、育てる、死ぬ、の繰り返し。
こうした繰り返しが皆、同じ一つのもの、すなわち、生きることそのものであって、
かつ、生きることはこうした虚しい繰り返し以外のなにものでもありません。
人に限らずあらゆる命が生きるということは、生きるということそのもの以外には意味のない営みです。
意味がないということを知ることからしか、それこそが意味であるという真実の理解は始まらないのです。
私たちは皆、産まれてこなくてもよかったのであり、おいしいものや、栄養バランスのとれた食事をとらなくてもよいのです。
しかし私たちは、産まれてきました。
それはなぜでしょうか。
作らなくてもよい、おいしそうで、おいしくて、栄養バランスの良い食事を、何年間も支度し、食べさせ、片付け続けてきたあなたこそ、私たちが産まれてきたことの意味を知る人です。
産まれてこなくてもよかった私たちが現に産まれてきて、生きていて、祝福されていることの意味を知るのは、私たちを生かしてきたあなたがたのような人々なのですから。
たとえ今は、虚しさにとらわれ、意味を理解することができなくても、絶望することはありません。
虚しさに苦しみながらも、今日も食事の支度をするあなたがたの手の中に、意味があります。
頭での理解は、行為にまさるものではありません。
虚しくとも続けることです。
ただし、あなたは食事の段取りをつければそれでいいのであって、何もあなた自身でそれを全てしなくてはならないわけではありません。
サボタージュし、ストライキし、革命を起こすことも悪くはありません。
もう少し賢く立ち回るなら、かつて私の母が私にさせたように、家族の誰かにその仕事をさせる仕組みを考えることなどは、実用的でデメリットのない、新しい楽しみになるかもしれません。
by atohchie
| 2002-04-01 17:15
| 缶詰実験室(お芝居への道)
阿藤智恵の「気分は缶詰」日記/劇作家・演出家・翻訳家(執筆中は自主的に「缶詰」になります)=阿藤智恵の日記です。
by atohchie
S | M | T | W | T | F | S |
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
31 |
タグ
ほらふき道場(104)日曜菜園(19)
「えんげき」のじゆうじかん(11)
植物のお勉強(11)
読む会(5)
本のひろば(1)
カテゴリ
ごはん/おちゃ/おかしはな/みどり/そら
きもち/ココロ/げんき
ひと/たび/であい
みる/きく
ごちゃごちゃ亭(お客さま)
水曜日は本の話
お題をいただきました
缶詰製作中(書斎より)
缶詰開缶中(稽古場より)
缶詰実験室(お芝居への道)
缶詰召し上がれ(ご案内)
缶詰メモ
缶詰用語の解説
阿藤智恵NEWS
●脱原発世界会議に賛同します。安心できる明日を子どもたちに。
●阿藤智恵サイトを更新しました更新日:2013年12月31日(火)
◆これからの阿藤智恵◆
1月19日
「第3回JAZZ&お話ライブ」
1月23日
「どこそら会」
3月8・9日
「『えんげき』のじゆうじかん」の
小さなお芝居の会と「ちえよむ会」
●戯曲集『十六夜の月』を出版しました。
ご購入は阿藤智恵への直接注文または書店にてご注文ください。また、ネット書店でも購入できます。
●受賞しました。
加藤健一事務所vol.83 「シュぺリオール・ドーナツ」
念願の翻訳デビュー、果たしました!
→本作品で、第5回小田島雄志・翻訳戯曲賞をいただきました。加藤健一さん、演出の大杉祐さんはじめ公演座組の皆さん、また、翻訳作業にお力添えを下さった多くの方々に、心から感謝します。
●戯曲『死んだ女』が雑誌【テアトロ】2013年1月号に掲載されました。
★『どこまでも続く空のむこうに』の劇評をいただきました!!大変な力作です。ぜひご一読ください。2012.4.19
こちらをクリック=
劇評サイトWonderland
●戯曲『どこまでも続く空のむこうに』が雑誌【テアトロ】2012年4月号に掲載されました。
●小説『マチゾウ』で同人誌【突き抜け4】に参加しました。
ご購入はこちらへ(「阿藤サイトから」と一言お書き添えくださいませ)。
★『曼珠沙華』の劇評をいただきました!!
ぜひご一読ください。2011.10.26
こちらをクリック=
劇評サイトWonderland
●公演終了しました。
Pカンパニー番外公演その弐「岸田國士的なるものをめぐって~3人の作家による新作短編集~」竹本譲さん、石原燃さんと、短編を1本ずつ書きました。私の作品タイトルは『曼珠沙華』です。
★雑誌『テアトロ』10月号に三本そろって掲載されています。
●連載エッセイ「本日も行ったり来たり~トハナニカ日記~」
雑誌【テアトロ】2012年1月号に最終回が掲載されています。
●日記のお題、ください!
阿藤への質問、お悩み相談、どのようなことでもどうぞ。心こめて書かせていただきます。
お題は阿藤へのメール、または、日記へのコメント(どの記事につけてくださってもOKです)でどうぞ。
●戯曲『十六夜の月』が雑誌【テアトロ】2011年7月号に掲載されました。
●小説『ツヅキ2011』で同人誌【突き抜け3】に参加しました。
ご購入はこちらのフォームへ(「阿藤のブログから」と一言お書き添えくださいませ)。
●戯曲『バス停のカモメ』が雑誌【テアトロ】2010年1月号に掲載されました。
●戯曲『しあわせな男』が雑誌【テアトロ】2008年10月号に掲載されました。
●石井ゆかりさんの
「石井NP日記」で
インタビューを受けました。
こちらの
「ロードムービー・その1」で5番目にインタビューされています。
●阿藤智恵サイトを更新しました更新日:2013年12月31日(火)
◆これからの阿藤智恵◆
1月19日
「第3回JAZZ&お話ライブ」
1月23日
「どこそら会」
3月8・9日
「『えんげき』のじゆうじかん」の
小さなお芝居の会と「ちえよむ会」
●戯曲集『十六夜の月』を出版しました。
ご購入は阿藤智恵への直接注文または書店にてご注文ください。また、ネット書店でも購入できます。
●受賞しました。
念願の翻訳デビュー、果たしました!
→本作品で、第5回小田島雄志・翻訳戯曲賞をいただきました。加藤健一さん、演出の大杉祐さんはじめ公演座組の皆さん、また、翻訳作業にお力添えを下さった多くの方々に、心から感謝します。
●戯曲『死んだ女』が雑誌【テアトロ】2013年1月号に掲載されました。
★『どこまでも続く空のむこうに』の劇評をいただきました!!大変な力作です。ぜひご一読ください。2012.4.19
こちらをクリック=
劇評サイトWonderland
●戯曲『どこまでも続く空のむこうに』が雑誌【テアトロ】2012年4月号に掲載されました。
●小説『マチゾウ』で同人誌【突き抜け4】に参加しました。
ご購入はこちらへ(「阿藤サイトから」と一言お書き添えくださいませ)。
★『曼珠沙華』の劇評をいただきました!!
ぜひご一読ください。2011.10.26
こちらをクリック=
劇評サイトWonderland
●公演終了しました。
Pカンパニー番外公演その弐「岸田國士的なるものをめぐって~3人の作家による新作短編集~」竹本譲さん、石原燃さんと、短編を1本ずつ書きました。私の作品タイトルは『曼珠沙華』です。
★雑誌『テアトロ』10月号に三本そろって掲載されています。
●連載エッセイ「本日も行ったり来たり~トハナニカ日記~」
雑誌【テアトロ】2012年1月号に最終回が掲載されています。
●日記のお題、ください!
阿藤への質問、お悩み相談、どのようなことでもどうぞ。心こめて書かせていただきます。
お題は阿藤へのメール、または、日記へのコメント(どの記事につけてくださってもOKです)でどうぞ。
●戯曲『十六夜の月』が雑誌【テアトロ】2011年7月号に掲載されました。
●小説『ツヅキ2011』で同人誌【突き抜け3】に参加しました。
ご購入はこちらのフォームへ(「阿藤のブログから」と一言お書き添えくださいませ)。
●戯曲『バス停のカモメ』が雑誌【テアトロ】2010年1月号に掲載されました。
●戯曲『しあわせな男』が雑誌【テアトロ】2008年10月号に掲載されました。
●石井ゆかりさんの
「石井NP日記」で
インタビューを受けました。
こちらの
「ロードムービー・その1」で5番目にインタビューされています。
以前の記事
2014年 01月2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
more...
ライフログ
フォロー中のブログ
一寸の虫にも五分の魂K+Y アトリエ 自然素...
文学座大好き
イノレコモンズのふた。
ばーさんがじーさんに作る食卓
クロアキのつぶやき
村人生活@ スペイン
Faunas & Flo...
Jam's Blog
Lily's BLOG
neige+ 手作りのあ...
世に倦む日日
身近な自然を撮る
今日のマイルス Blog
キョウハ、ナニシヨウカシラ?
にわとり文庫
百一姓blog
喫茶ぽてんひっと
Junichi Taka...
おひとりさまの食卓plus
sousouka
オーガニックカフェたまりばーる
ひとり芝居、語り、ダンス...
縄文人(見習い)の糸魚川発!
野田村通信ブログ(旧)
菅野牧園
team nakagawa
olive-leafs ...
東日本復興支援 ヒューマ...