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架空・お悩み相談室41『カラスに二度と悪さをさせない方法』

【お悩み】
先日の朝家を出てすぐに、今朝はやけにカラスがうるさいなぁと感じました
駅に向かう途中にある小学校にさしかかった時です
突然頭のてっぺんにドンっと衝撃が走り、カラスが頭をかすめ飛んで行きました
カラスはそのまま少し先の民家の塀の上に留り、カァと鳴きました
それ以来、明るい中で外を歩くのが怖くてたまりません
どうかこのカラスに二度と悪さをさせない方法を教えて下さい(bonpapaさんのお悩み)

【回答】
わたくしどもの見解では、地球の覇者は虫であり、地球の黒幕は微生物であります。哺乳類は基本的に居候であり、人類は余計者であります。そのように地球上の生物をみる時、鳥類は何かと申しますと、これは、知者であります。鳥類は地球上の全てを見、知るものであり、なかでもカラスはその知力においてほかを抜きんでています。所詮、余計者の人間に、カラスの知を上回ることは不可能であり、彼らの行動をあやつることなどできはしません。
一般に鳥類の中で、カラスほどあまのじゃくな存在はありません。ですから、来るな、来るな、と思っていると参ります。おいで、おいで、と思っていますとはなもひっかけず無視します。それでは、内心は来ないでくれと思いながら、表面上はこっちにおいでと歓迎して見せたらどうでしょう。人間よりも知力において優れたカラスは、人の心を見抜きますから、そのような振りはかえって逆効果です。あなたはきっと、カラスに頭をけっ飛ばされるだけではすまず、しつこく付きまとわれ、追い回されることになるでしょう。あなたがカラスにやられたのは、あなたの嫌悪が見抜かれたことが原因なのです。
それでは、カラスを怖れる人は、日中に彼らのそばを通ることを避けるしか、生きる道はないのでしょうか。カラスに怖い目にあわされない方法はないのでしょうか?
いいえ。その方法はあります。
カラスへの愛を、自らのうちに育むことであります。
あなたが嫌悪ではなく愛をもってカラスに報いる時はじめて、あなたは敗北を知らぬものとなります。
カラスがあなたの愛に、どのような反応を示そうと、あなたは失望することがないからです。
あまのじゃくな性格の持主にとって、もっとも苦手なもの、それが、愛です。もしもあなたが心を開き、純粋な心でカラスに愛をささげ、その訪れを待つならば、おそらくカラスはあなたの愛の届かぬ所へ逃げていくでしょう。
あるいは、あなたの愛がカラスのあまのじゃくな心をも溶かしてしまうほどの強さを示したならば、カラスは自らあなたをしたってついてくるかもしれません。そのときこそ、あなたの愛は報われ、かつてカラスのふるまいを「悪さ」と呼んで憎んだことなどきれいに忘れ、幸せに満たされることでしょう。
つまり、あなたはカラスを愛するとき、逃げられても慕われても、幸せにいられるのです。
愛するにもかかわらず、カラスに逃げられた時、心は傷つかないのか、ですか? ええ、その心配はご無用です。真の愛は、相手のありのままを何一つ変えようとせず受け入れるもの。カラスを愛するあなたにとって、あなたから逃げていくカラスの後ろ姿はもっともカラスらしいものとして、さらにいとおしいものと映るはずです。
すなわち、真に相手を愛する者は、決して裏切られることがないのです。
by atohchie | 2002-04-01 16:33 | 缶詰実験室(お芝居への道)


阿藤智恵の「気分は缶詰」日記/劇作家・演出家・翻訳家(執筆中は自主的に「缶詰」になります)=阿藤智恵の日記です。


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