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衝撃の出会い

「まどいの会」という読書会に、お招きをいただいて、行ってまいりました。
昨日のことです。
わたしの戯曲集『十六夜の月』を、とりあげてくださって
多士済々のみなさまが、いろいろとご感想や、分析や、疑問点を聞かせてくださったのです。



戯曲がぼちぼちと活字になりはじめてから10年余り
いろんな方々としあわせな出会いはあったけれど
思えばどなたもみなさん、演劇人だったんです。
同じ、村の住人。
同じ言語を話す同胞、という感じが、
わたしはどこの演劇人に対しても、してしまいます。
だから、どんなに遠くの方とでも、初対面から打ちとけて
(うちとけすぎて戸惑わせることもあったかもしれないくらい)
いつもすごくすごく楽しかったのだ。
けど、別の「村」に暮らしていらっしゃる方々と
わたしの作品について話すのは、まったくの初体験でした。
そのことに、会が始まってから、気づいたのです。

演劇畑でない方が、しかもわたしのことをご存知ない方が
わたしの作品を読んでくださると、
しかも真剣に読んでくださると、こういうことになるのか!
それはそれは、衝撃的な、新しい世界への扉が
いきなり開いた感じでした。

会のあと、皆さんと中華料理屋さんに行き、
何人かで2軒目にまわり
日付が変わるまで、お話してました。
わたしのありさまは、「独り芝居の俳優のようだった」ということです。
はて、どういう意味かしらん。
なんだか恥ずかしいことのような気がするけど
思うにきっと、多士済々の皆様も、
演劇畑の住人が自作を語るのを目にしたのは
ちらっとじゃなくて、ああまで長時間目にしたのは、
初めてだったんだろうなぁ。
「演劇やってる人ってみんなこうなんだ」と
どうやら思われてしまったとするならば、
演劇人の皆さまには申し訳ないことをしたかもしれません。
ごめんなさい。

ともかく、出会いってほんとに面白い。
とても価値のある何かを成し遂げた気もちです。
成し遂げた、のではなくて、着手した、のだろうな。
一度出会えば、次の出会いの準備は、もうできているんだろうから。

コーフンしすぎて寝つかれなかった短い夜が明けて
わたしの小さな庭に出てみると、
今年初めての花、咲いてました。衝撃の出会い_d0024220_23294070.jpg
by atohchie | 2013-06-02 23:32 | 缶詰実験室(お芝居への道)


阿藤智恵の「気分は缶詰」日記/劇作家・演出家・翻訳家(執筆中は自主的に「缶詰」になります)=阿藤智恵の日記です。


by atohchie

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