今日もエッセイのお稽古しました。

エッセイのお稽古、いったいなんのお稽古やら。
1週間に1度の締め切りというリズムを作るなんていってた初心はどこへいったやら。
第81回のエッセイのお稽古を書きました。
どうぞご覧ください。

今日はちえよむ会。
この会、4回目になって、ますます面白い。
たぶん、こうまで、内臓がでんぐりそうなまで、面白いと感じているのは私一人でしょう。
それぞれの方が、それぞれに、面白がってくださっていることは、まったく疑わないけれど、
私のように、脳みそがちぎれとびそうに、面白いと感じている人は、たぶん、いない。
そのことを、次回のエッセイのお稽古に書きます。
近いうちに。

今日のおやつは、今、読んでいる作品
『セゾン・ド・メゾン~メゾン・ド・セゾン』に出てくる
“パンの耳をカリカリに焼いて、チョコレートをからませたお菓子”。
このパンは、どういうパン屋さんのどういうパンで
このチョコレートは、どういう国で作ったどういうチョコレートで、
ということを、説明したいと思っていたのに
とっちらかって、忘れた。
今、私は食べるもの、手に触れるもの、着るもの、流すもの、
何もかもについて、とてもよく考えていて
そのことの面白さを、人にちょっとは伝えたいと思っているんだけど
ほんとにね、とても、間にあわない。

夕飯に、私はいったいどんなめでたいことでもあったのですかと
驚くようなおいしい牛肉のステーキと言いたいような
焼き肉を食べたんだけれど、



なぜにそんなにおいしいものをなんでもない夕食に食べるような
贅沢にふけることになったかというと、
それは、岩手短角牛が、売れないので、
値下げをするから応援してほしいというキャンペーンがあったからです。
それはまったく簡単明瞭なのだが、ここから話はややこしい。
岩手短角牛がなぜ売れないかというと、という話。
去年、岩手県内の牛肉から、放射性物質が政府の決めた数値を越えて
検出されたために、岩手県全域で牛肉が出荷停止になってから後
岩手の牛肉は、めっきり売れなくなったのですが、
それがなぜかというと、簡単でないのです。
放射性物質が怖がられているから、と言ってみる。
それはそうだ。
でも、だとしたら、放射性物質が検出されない今は、売れてもいい。
しかし、そうなってない。
たぶん、政府や流通業者や、生産者に対して、なにかやっぱり不信があるから、売れない。
なぜ不信があるかというと、今まで、ことに、昨年3月の原発の爆発以降、放射性物質に関して、疑心暗鬼に陥いるのも当然と思われる、さまざまなニュースが、わたしたちの生活を揺るがせたから、と言ってみたらどうか。
だから、岩手短角牛が売れないことを、風評被害、とひとくちに片づけるのは難しい。風評被害っていうと、実態として汚染はないのにという意味なんだろうけど、で、私自身はこの岩手短角牛について、発表される検査の数値を信じるけど、それは私の判断であって、それを信じない人に、信じろと言う気分にはなれない。
だから、そこんとこをこれ以上掘り下げるのはやめて、もっと根本的な問題に目を転じて、岩手短角牛が売れない理由は、そもそも、原発が爆発したからだと言ってもいい。
それ自体は間違ってはいないですよね。
けど、そういってみて疑問が消えるわけじゃなくて、じゃ、なぜ原発は爆発したのか?
大津波を伴う大地震が、あったから。
それは、大まかに言えばそうだろうけど、じゃ、それが起きたら必ず爆発が起きる、とは言えないわけだから、じゃ、なんでそれが起きたから爆発が起きたのか、を考えたくなって、そこで、こまごまとしたいろんな原因は推測できるにせよ、ほんとのことは今はわからない。誰も爆発した原子炉に近づける人いないんだもの。いったいそこんとこがわかる時が来るのか、その時まだ私が生きてるかって言うと怪しい。
だから、ま、そこはてきとうにおいといて、そこに原発があったからと言ってみたらどうかな。
とたんに、なんでそこに原発があったのかという話になる。
敗戦後日本の経済や安全保障について、歴史をひもとく?
東北の暮しについて知る?
世界中いたるところにみられる、都会の消費地が、それ以外の地域の生活を搾取するしくみの中にその答えがある?

たとえば、とんでもなくおいしい岩手短角牛の中に、私はいっぺんにそういう全部を、ここに書いたのはまだ一部なのだけれど、ともかく、そういう全部を味わう。
私の目には、今、目の前のあらゆるものが、そういうふうに見える。
だから、私は考えていることが説明できなくて、とっちらかっている。

今日のちえよむ会でも、私はずいぶんとっちらかっていて、みんなあきれたかもしれない。

ただ、私はこうやってとっちらかりながらほんとに、岩手短角牛をおいしいと思うし、原発が爆発しなかったら絶対にこれをこういうふうに味わうことがなかったということを、いいとか悪いとかの判断がもうどうにもつかないそのことを、味わう。
そうやって、あの日から20回目の11日の夜を、すごす。

私は、一生岩手短角牛のおいしさを知らなくても良かったとは思う。
もしも原発が爆発する前に戻れるなら、そうしてほしい。そうしてあげてほしい。
だけど、そうはならない。私たちの時間はこのように進んできてしまった。
なので、今はぜんぜん良くない今だけど、前もって選べるなら到底選ぶはずのなかった今だけど、しかしその今をスタートラインにして生きるしかない今の中では、まだしも一番いい今を選び続けたい。で、そういうたった一回の夕食として、野菜たっぷりのトマトシチューと、びっくりするくらい、恐縮するくらいおいしい岩手短角牛のステーキ(実際には焼き肉用の肉だけどさ)を一人で食べた夕飯は、あの日から20回目の11日の夕飯として私が選べるものの中では最高だったと思う。

いろんなことを考えると怒りたくなるけど、怒らない。もうこんなことが起きてしまったんだから、私は、これ以上世界に、悪いものを増やしたくはない。怒りの全てが悪いものだとは私は思ってなくて、もっと近くの、もっと些細な、もっと楽しい問題に関しては、怒ることがたぶん好きだったりするくらいだと思うんだけど、特に、好きな人、大切な人に怒るのは、好きなんだけど(ごめん、人に自慢できない悪い癖だとは思ってるけどほんとにそうなんだ。)このことはものすごく大きくてものすごく難しくて、ものすごくひどいので、私は、怒らない方が、世界に貢献できると思うから、怒らないぞ、って、朝から何度も自分に言い聞かせてる。難しいけど。

とにかく、知らなくてもよかった岩手短角牛のあまりにもおいしいのを食べて、わたしの味覚が喜んだことは事実で、そのことは、わたしの味覚のために素直に喜ぼう。
ありがとう、牛さん。おいしかった。

こんな長い文章が書けるようになって、嬉しい。
20回目の、11日。
私たちは、今、こんな世界を生きてる。
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by atohchie | 2012-11-11 22:35 | 缶詰製作中(書斎より)


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