嬉しいのはなぜですか【柏崎日記最終回】

ここまで来て見ない手はないでしょう、というわけで
鯛茶漬けでお腹いっぱいになった後は海へ。
海浜公園に連れて行っていただきました。
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雪を踏みしめ、先導してくださるIさんWさんのお二人。
ただただ着いていく阿藤。
ときどきふくらはぎあたりまで雪にはまってギャーギャー言いながら。



しかし雪原を越えて見えてきた海は
風の町柏崎とも思えぬ穏やかさ。
あまりにも殺風景で、音もせず香りもせず
もひとつ海っぽくなくて少しがっかり。
そこで向かったのが日本で海に一番近いことで名高い
JR青海川駅。
ホームから見下ろす海は、海らしい海でした。
まっすぐ浜に降りようとして、雪にはまりますよ!とIさんにたしなめられる阿藤。
ごめんなさい。無謀でした。
(実際には足首くらいまでしか埋まってませんからご心配なく)
落ち着いてIさんに案内してもらうと、ぐるりと駅の反対側から、浜に降りられました。
線路の下をくぐる少し手前から、もう、潮の香り。
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わー海だ海だ海だ!
どうしてはしゃいでしまうのかわからないけど心がはやるのです!
海はついこの間葉山で見たばかりなのにやっぱりはしゃぐのです!
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真っ赤な橋を見上げる谷根川は、ここで海に注いでいます。
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小さな川と、海がぶつかる場所。
見ても見ても、見飽きない。
ひとしきりはしゃいでから、柏崎駅まで車で送っていただきました。

振り返って見おろす海は青かった。
ものすごく青くて、碧くて、美しかった。
この海に、すぐそばにある原子力発電所で温められた温排水が流されていることを、考えてみた。
柏崎のまちの、ほんのすぐそばに原子力発電所があって、多くの人がそこで働いていて、そしてそこで作られた電気は、遠く山を越えて首都圏に送られていて。そのことを考えてみた。
そうしてみたところで、何か目新しい考えが浮かぶわけでもないけど、初めて原発のすぐそばまで行って、そこに美しい海があって、雪に埋もれた田んぼがあって、人々が忍耐強く暮しているということを少しだけ感じて、それですごくそのことは、重かったんです。

柏崎を訪ねられて良かった。
Wさん、Iさん、ありがとう。
劇団THE風・FOUの皆さん、本番、楽しみにしています。

と、書いていたら、新潟で地震。

柏崎のまちのように、大熊町は、双葉町は、あの日まで穏やかに、忍耐強い人々が暮していたのだろうなあと考えてみる。浪江町、富岡町、川内村、飯舘村、行ったことのない町や村の名前を、地図をたどってみながら、ずしんと重い心を扱いかねて、困っています。
それでもあの青く碧く輝いていた海を思いだすと、流れ込む川にさざめく海の、あの潮の香りを思いだすと、嬉しくなれるのはなぜですか。涙が出るのはなぜですか。
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by atohchie | 2012-02-08 22:30 | はな/みどり/そら


阿藤智恵の「気分は缶詰」日記/劇作家・演出家・翻訳家(執筆中は自主的に「缶詰」になります)=阿藤智恵の日記です。


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