初校終了【戯曲集を作っています】
校正、というものを、あまり熱心にしたことがありませんでした。
ふだん書いているものは稽古場で使う台本です。
新作の稽古というのは、「台本を完成させる」作業でもあります。
そのことについて現場でどのくらいの方がわかっていらっしゃるか、
心もとない気がすることが多々あるのも事実ですが
でもそうなんです。
だから、稽古の前にみなさんにお渡しする台本については
これから稽古で台本を作っていくための「叩き台」だったりするので
校正をそれほど厳密にしてもあまり意味がないというか
そんな余裕はないというか、
読む人は現場の人で、稽古中何度も会えるので
台本に書くことよりも、口頭で伝えることの方がずっとずっと多くて
台本に盛り込む情報量は、ごくごく一部なんですね。
それが、このところわりによく、雑誌に掲載していただくようになって
掲載戯曲を上演してくださる方も少しずつ増えてきて
だんだん、印刷されるための戯曲の書き方というものを
考え直さなくてはいけないのかもしれないなあという意識は芽生えてきてました、徐々に。
でも、公演に合わせた雑誌掲載の場合、
稽古で台本を固める前に既に原稿を出さなくてはならなくて
滑り込みで載せていただくことも多いので、
校正に使える時間が2時間しかない、とかいう場合もあり
真面目に取り組めたことはなかったです。
で、このたび戯曲集を作ってみることに決めて
初めて校正に真面目に取り組んだわけだ。
こだわりだしたらキリがないことはわかってたから
必要最低限のことだけやるつもりでした。
でも、その必要最低限が大変だった。
それで
どんだけ無造作に書いてたかがわかったというのもあるんだけど
でも、繰り返すが新作の場合、台本は叩き台で生ものなので
無造作に書いてていけなかったとはぜんぜん思わない。
きれいに小骨までとって美しく盛り付けた完璧なお造りじゃなくて
船の上で今まさに獲った魚をただぶった切っただけ、とか
いや、もっと正確には、稽古場でもまだまだ泳ぎ続ける
生きたままのお魚みたいなものが初演の稽古台本なわけだ。
生ものというより、生き物ですね、ぜんぜん別物なんだと思う。
無造作に書いて、初演を通過したものは、たとえ大きな直しが入らなくても
未上演の戯曲とは全く違う存在に変わっているんです。
つまり稽古場での格闘を経て、海で泳いでた魚が
獲ってきた魚に変わって、お料理ができるんです。
やっとそれから、うろこをとったり、小骨を抜いたり、できるんです。
そんなことを考えながら、昨日、初校を終了して、投函して
ものすごくホッとした。途中とっても大変でしたが
だんだんやり方がつかめてきて、楽しい作業でした。
すごーく疲れたけど。
さて戯曲集はいつできるでしょう。
いろんな方の手を借りて作るということもあり
はじめてということもあり、
完成がいつになるのか全く見当がつきません。
3月の公演の時には、お客さまのお目に掛けられるとよいなと思ってます。
ところで、ずっと頭の中にどーんと居座っていたこの仕事が終わったら突然目が覚めたようになったから、直前ですが脱原発世界会議へのリンクをここに。脱原発へ、大きな一歩になりますように。
ふだん書いているものは稽古場で使う台本です。
新作の稽古というのは、「台本を完成させる」作業でもあります。
そのことについて現場でどのくらいの方がわかっていらっしゃるか、
心もとない気がすることが多々あるのも事実ですが
でもそうなんです。
だから、稽古の前にみなさんにお渡しする台本については
これから稽古で台本を作っていくための「叩き台」だったりするので
校正をそれほど厳密にしてもあまり意味がないというか
そんな余裕はないというか、
読む人は現場の人で、稽古中何度も会えるので
台本に書くことよりも、口頭で伝えることの方がずっとずっと多くて
台本に盛り込む情報量は、ごくごく一部なんですね。
それが、このところわりによく、雑誌に掲載していただくようになって
掲載戯曲を上演してくださる方も少しずつ増えてきて
だんだん、印刷されるための戯曲の書き方というものを
考え直さなくてはいけないのかもしれないなあという意識は芽生えてきてました、徐々に。
でも、公演に合わせた雑誌掲載の場合、
稽古で台本を固める前に既に原稿を出さなくてはならなくて
滑り込みで載せていただくことも多いので、
校正に使える時間が2時間しかない、とかいう場合もあり
真面目に取り組めたことはなかったです。
で、このたび戯曲集を作ってみることに決めて
初めて校正に真面目に取り組んだわけだ。
こだわりだしたらキリがないことはわかってたから
必要最低限のことだけやるつもりでした。
でも、その必要最低限が大変だった。
それで
どんだけ無造作に書いてたかがわかったというのもあるんだけど
でも、繰り返すが新作の場合、台本は叩き台で生ものなので
無造作に書いてていけなかったとはぜんぜん思わない。
きれいに小骨までとって美しく盛り付けた完璧なお造りじゃなくて
船の上で今まさに獲った魚をただぶった切っただけ、とか
いや、もっと正確には、稽古場でもまだまだ泳ぎ続ける
生きたままのお魚みたいなものが初演の稽古台本なわけだ。
生ものというより、生き物ですね、ぜんぜん別物なんだと思う。
無造作に書いて、初演を通過したものは、たとえ大きな直しが入らなくても
未上演の戯曲とは全く違う存在に変わっているんです。
つまり稽古場での格闘を経て、海で泳いでた魚が
獲ってきた魚に変わって、お料理ができるんです。
やっとそれから、うろこをとったり、小骨を抜いたり、できるんです。
そんなことを考えながら、昨日、初校を終了して、投函して
ものすごくホッとした。途中とっても大変でしたが
だんだんやり方がつかめてきて、楽しい作業でした。
すごーく疲れたけど。
さて戯曲集はいつできるでしょう。
いろんな方の手を借りて作るということもあり
はじめてということもあり、
完成がいつになるのか全く見当がつきません。
3月の公演の時には、お客さまのお目に掛けられるとよいなと思ってます。
ところで、ずっと頭の中にどーんと居座っていたこの仕事が終わったら突然目が覚めたようになったから、直前ですが脱原発世界会議へのリンクをここに。脱原発へ、大きな一歩になりますように。
by atohchie
| 2012-01-08 11:49
| 缶詰製作中(書斎より)
阿藤智恵の「気分は缶詰」日記/劇作家・演出家・翻訳家(執筆中は自主的に「缶詰」になります)=阿藤智恵の日記です。
by atohchie
S | M | T | W | T | F | S |
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
31 |
タグ
ほらふき道場(104)日曜菜園(19)
「えんげき」のじゆうじかん(11)
植物のお勉強(11)
読む会(5)
本のひろば(1)
カテゴリ
ごはん/おちゃ/おかしはな/みどり/そら
きもち/ココロ/げんき
ひと/たび/であい
みる/きく
ごちゃごちゃ亭(お客さま)
水曜日は本の話
お題をいただきました
缶詰製作中(書斎より)
缶詰開缶中(稽古場より)
缶詰実験室(お芝居への道)
缶詰召し上がれ(ご案内)
缶詰メモ
缶詰用語の解説
阿藤智恵NEWS
●脱原発世界会議に賛同します。安心できる明日を子どもたちに。
●阿藤智恵サイトを更新しました更新日:2013年12月31日(火)
◆これからの阿藤智恵◆
1月19日
「第3回JAZZ&お話ライブ」
1月23日
「どこそら会」
3月8・9日
「『えんげき』のじゆうじかん」の
小さなお芝居の会と「ちえよむ会」
●戯曲集『十六夜の月』を出版しました。
ご購入は阿藤智恵への直接注文または書店にてご注文ください。また、ネット書店でも購入できます。
●受賞しました。
加藤健一事務所vol.83 「シュぺリオール・ドーナツ」
念願の翻訳デビュー、果たしました!
→本作品で、第5回小田島雄志・翻訳戯曲賞をいただきました。加藤健一さん、演出の大杉祐さんはじめ公演座組の皆さん、また、翻訳作業にお力添えを下さった多くの方々に、心から感謝します。
●戯曲『死んだ女』が雑誌【テアトロ】2013年1月号に掲載されました。
★『どこまでも続く空のむこうに』の劇評をいただきました!!大変な力作です。ぜひご一読ください。2012.4.19
こちらをクリック=
劇評サイトWonderland
●戯曲『どこまでも続く空のむこうに』が雑誌【テアトロ】2012年4月号に掲載されました。
●小説『マチゾウ』で同人誌【突き抜け4】に参加しました。
ご購入はこちらへ(「阿藤サイトから」と一言お書き添えくださいませ)。
★『曼珠沙華』の劇評をいただきました!!
ぜひご一読ください。2011.10.26
こちらをクリック=
劇評サイトWonderland
●公演終了しました。
Pカンパニー番外公演その弐「岸田國士的なるものをめぐって~3人の作家による新作短編集~」竹本譲さん、石原燃さんと、短編を1本ずつ書きました。私の作品タイトルは『曼珠沙華』です。
★雑誌『テアトロ』10月号に三本そろって掲載されています。
●連載エッセイ「本日も行ったり来たり~トハナニカ日記~」
雑誌【テアトロ】2012年1月号に最終回が掲載されています。
●日記のお題、ください!
阿藤への質問、お悩み相談、どのようなことでもどうぞ。心こめて書かせていただきます。
お題は阿藤へのメール、または、日記へのコメント(どの記事につけてくださってもOKです)でどうぞ。
●戯曲『十六夜の月』が雑誌【テアトロ】2011年7月号に掲載されました。
●小説『ツヅキ2011』で同人誌【突き抜け3】に参加しました。
ご購入はこちらのフォームへ(「阿藤のブログから」と一言お書き添えくださいませ)。
●戯曲『バス停のカモメ』が雑誌【テアトロ】2010年1月号に掲載されました。
●戯曲『しあわせな男』が雑誌【テアトロ】2008年10月号に掲載されました。
●石井ゆかりさんの
「石井NP日記」で
インタビューを受けました。
こちらの
「ロードムービー・その1」で5番目にインタビューされています。
●阿藤智恵サイトを更新しました更新日:2013年12月31日(火)
◆これからの阿藤智恵◆
1月19日
「第3回JAZZ&お話ライブ」
1月23日
「どこそら会」
3月8・9日
「『えんげき』のじゆうじかん」の
小さなお芝居の会と「ちえよむ会」
●戯曲集『十六夜の月』を出版しました。
ご購入は阿藤智恵への直接注文または書店にてご注文ください。また、ネット書店でも購入できます。
●受賞しました。
念願の翻訳デビュー、果たしました!
→本作品で、第5回小田島雄志・翻訳戯曲賞をいただきました。加藤健一さん、演出の大杉祐さんはじめ公演座組の皆さん、また、翻訳作業にお力添えを下さった多くの方々に、心から感謝します。
●戯曲『死んだ女』が雑誌【テアトロ】2013年1月号に掲載されました。
★『どこまでも続く空のむこうに』の劇評をいただきました!!大変な力作です。ぜひご一読ください。2012.4.19
こちらをクリック=
劇評サイトWonderland
●戯曲『どこまでも続く空のむこうに』が雑誌【テアトロ】2012年4月号に掲載されました。
●小説『マチゾウ』で同人誌【突き抜け4】に参加しました。
ご購入はこちらへ(「阿藤サイトから」と一言お書き添えくださいませ)。
★『曼珠沙華』の劇評をいただきました!!
ぜひご一読ください。2011.10.26
こちらをクリック=
劇評サイトWonderland
●公演終了しました。
Pカンパニー番外公演その弐「岸田國士的なるものをめぐって~3人の作家による新作短編集~」竹本譲さん、石原燃さんと、短編を1本ずつ書きました。私の作品タイトルは『曼珠沙華』です。
★雑誌『テアトロ』10月号に三本そろって掲載されています。
●連載エッセイ「本日も行ったり来たり~トハナニカ日記~」
雑誌【テアトロ】2012年1月号に最終回が掲載されています。
●日記のお題、ください!
阿藤への質問、お悩み相談、どのようなことでもどうぞ。心こめて書かせていただきます。
お題は阿藤へのメール、または、日記へのコメント(どの記事につけてくださってもOKです)でどうぞ。
●戯曲『十六夜の月』が雑誌【テアトロ】2011年7月号に掲載されました。
●小説『ツヅキ2011』で同人誌【突き抜け3】に参加しました。
ご購入はこちらのフォームへ(「阿藤のブログから」と一言お書き添えくださいませ)。
●戯曲『バス停のカモメ』が雑誌【テアトロ】2010年1月号に掲載されました。
●戯曲『しあわせな男』が雑誌【テアトロ】2008年10月号に掲載されました。
●石井ゆかりさんの
「石井NP日記」で
インタビューを受けました。
こちらの
「ロードムービー・その1」で5番目にインタビューされています。
以前の記事
2014年 01月2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
more...
ライフログ
フォロー中のブログ
一寸の虫にも五分の魂K+Y アトリエ 自然素...
文学座大好き
イノレコモンズのふた。
ばーさんがじーさんに作る食卓
クロアキのつぶやき
村人生活@ スペイン
Faunas & Flo...
Jam's Blog
Lily's BLOG
neige+ 手作りのあ...
世に倦む日日
身近な自然を撮る
今日のマイルス Blog
キョウハ、ナニシヨウカシラ?
にわとり文庫
百一姓blog
喫茶ぽてんひっと
Junichi Taka...
おひとりさまの食卓plus
sousouka
オーガニックカフェたまりばーる
ひとり芝居、語り、ダンス...
縄文人(見習い)の糸魚川発!
野田村通信ブログ(旧)
菅野牧園
team nakagawa
olive-leafs ...
東日本復興支援 ヒューマ...