いちにちにひとつだけする

今年、ばらばらとたくさん読んだ本の中に、
一日にひとつのことだけする人々の話が書いてあった。
たしか辻信一さんの本じゃなかったかと思うけれど(違ったらごめんなさい)
こんな感じの話……
ある、山奥の村に人々を訪ねて行った
予定よりだいぶん時間がかかって到着して
皆さんをお待たせしてしまって申し訳ないと謝ったら
どうして? 今日はあなたが訪ねてくる日なんだよ、と
みんなにこにこしている。
その人たちは、今日がお客さんを待つ日ということになれば
それだけするのであって
いつまでも楽しく待てるし、お客さんに会えたらそれだけで、とても幸せなんだった。
何時に着くから、何時までああして、何時から何時までこうしてああして、
なんてことを考えたりしないのだった。

私は数年前にある作品で「待つ」ことについて書いたことがあった。
「待つ」ということは真剣に行うべきものであって
何かの片手間にするのは下品である。
いや、そうセリフでははっきり言ってなかったと思うけど
まあそういうふうに私はかねてから思っていたのである。
ながら仕事はあさましき業なり。
私がそういうことを考えるのは、もちろん自分が、ながら仕事というか同時並行的にいくつものことに手をつけてしまう性癖であって、ひとつときに一つのことだけに集中するということができないから、そのような人を上品だと思って憧れているだけのことである。

ただ、何か特に急がねばならない正当な理由もないのにほんのわずかの隙間の時間も無駄にせず工夫を凝らして生きるというのは下品だというのは思っている。私がいろんなことをいっぺんにやってしまうのはそんな下品なことではなくて生まれつきの性に振り回されているだけである。散漫であるということはもちろんぜんぜん良くなくて、というかもちろんとても愚かなことで、愚かなのは悲しいことだ。人間には意志というものがあるのだから、生まれついての性に良くないものがあれば、諦めず地道に努力してなおしていくのが美しい。私のように開き直ったふうなことを言うのは論外の恥じさらしだが、それでも下品よりはよほどいいと思ってはいる。下品なのはすぐになおしますが愚かなのはある種、直しにくいのである。念のため付け加えると、効率を追うことはよろしくないと考えているのは人の行動の全てについてではなくて、一刻を争う現場というものはあるのでそういう場では当然効率的にするのが良い。ここで「品」をうんぬんしてるのは、そんなに急いでどうするの?という問いに答えが見つからない場合のこと。言いかえると、効率を良くしようと努めるのがその人が本来果たすべき何かの目的のためでなく単に効率を良くするためでしかない場合、そのあくせくは下品ということになる。

話がずれたよ。



要するに私が今日言いたいのは、今日はなんだかひえびえと寒くて曇って一日中うす暗くて、久々に低気圧メランコロジーが出たのでいろいろ楽しいことありながらも恐ろしくつまらない気分がどうも底のあたりに漂っていたんだけど、考えてみたら朝起きてやろうと思ったことはぜんぶやって、予想もつかなかったことまでやったので、充実しすぎくらい充実した日だったぞと今思っているってこと。

今日やろうと思ったことは、
1 セイタカアワダチソウ染めの3回目を染めるかどうかを決めて、染めないなら布にはアイロンをかけて、師匠の台所をかたづけること。
2 タケノ文具さんの青空市場に出品するものを出荷すること。
3 菅野牧園さんのビーフシチューとソーセージを味見すること

で、
1、昨日の絹地はもう立派に染まっているのでアイロンをかけた。木綿の試し染めをしてみたくて、さらし布とジャージー生地を2回染めた。
2、梱包して発送できた。
3、ものすごーくおいしかった。驚いた。
d0024220_22551948.jpg


そして、そのほかにもいろんなことをやれてしまったというのは。
Fさんに電話して、友だちのKちゃんの心配をした。Fさんの家族の入院についての大変なお話を聞いた。
Kちゃんに手紙を書いて郵便局まで持っていって振り込み2件。
こっぴどい風邪をひいたR子さんへのお見舞いの品を手に入れ(師匠から)、手紙を書いて出す準備をした(明日出す)。
おでんを食べつくしたので夕飯の後、のこりのおつゆで新しい大根を炊いた。
庭の菜っ葉を間引いて煮物にして食べた。
d0024220_2258165.jpg

d0024220_22592159.jpg玄関前で見たことない虫を見つけて写真撮りつつ観察して調べて名前を知った。
というわけで今日の「ひとつのこと」は最終的にこの名前を覚えることに決定。さあ皆さんもごいっしょに覚えましょう。背中のハートマークが目印のこの虫の名は「エサキモンキツノカメムシ」です。私の写真はピントがあっていないので、ぜひ名前で検索してもっと大きくてよく撮れている写真で姿を確認してください。
「エサキ」は人の名前ですから覚えないとしょうがない。江崎グリコの江崎です。モンキはハート紋が黄色ってことらしいですけど雌だったら白いらしいから余計にややこしいとぜひともここはつっこみたい。ツノは頭じゃなくて肩のところにピンと横に張っています。ちょっと裃みたいだな。最後のカメムシは、形でカメムシだなと見当がつくようなら覚えるのに問題ないでしょう。
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by atohchie | 2011-11-28 23:26 | はな/みどり/そら


阿藤智恵の「気分は缶詰」日記/劇作家・演出家・翻訳家(執筆中は自主的に「缶詰」になります)=阿藤智恵の日記です。


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