架空・お悩み相談室50『小さな悩みが3つあります』

【お悩み】
突然ですが小さな悩みを3つばかり相談させてください。
(1)うま、うみ、うむ、うめ、と全て意味があるんですが「うも」という言葉には何か意味があるんでしょうか。
(2)最近人混みを歩いていて人と衝突することが増えたのですが、これはこちらが退化しているのか、衝突を避けない人が増えているのか、どちらだと思いますか?
(3)先日転倒して尾てい骨を強打したのをきっかけに馬の尾のような尻尾が生えてきたのですが、このまま生やし続けるのと、手術などで取り去るのとどちらがいいでしょうか?
いずれも取るに足らないささやかな悩みばかりなのでまとめて送ってしまいますが、お時間のある時にでも相談に乗っていただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。(東京都/たかしなさんのお悩み)

【回答】
(1)「うも」は「芋」の古語です。「うも」が「いも」に変わったのは、「いも」がさびしがり屋だからです。かつて女というものは、「妹」「姉」「妻」「恋人」「愛人」、すべてが「いも」でした。しかしいつの間にか、そんなにも多くの女を自分の物にしていた「いも」は、「同じ親を持つ年下の女」しか扱えなくなりました。それも「うと」の助けをかりてです。「いも」は寂しかったので、「うも」から「芋」を奪ったのです。「いも」はそれですっかり、寂しくなくなったのです。女というものはたいてい「芋」が大好きだからです。いっぽう「うも」はどうしたかって?「うも」ははじめから孤独に強い性質だったので、千年の孤独に耐え、今も独り身を通しています。それでもたまに、万葉集なんか読んでくれる人がいると、恥じらいつつも微笑みを浮かべてみせるのです。

(2)これはあなたの進化であろうと思います。羨ましいことです。私は人ごみを歩いても人に衝突しません。あなたは都会に住むあらゆる人々を抱擁するべきです。あなたに向かって突進してくるその人は、あなたの祝福を求めているのです。どうぞしっかりと背中を抱き、「よくできました」とか、「確かにあなたはここにいるよ」とか、「地球を回すものは愛ですからね」など、その人の求めることばをかけてあげてください。

(3)この問題については古くから多くの論争がなされ、いまだ決着がついておりませんが、望んでも生えてくるものではない馬の尾を手術で取り去ってしまうのは惜しいと考える人々が多数を占めているのは確かな事実です。ですから、常識に従うならば、あなたは断然、その尾を伸ばすべきです。しかし、そうした意見を述べる大半の人々の臀部には、馬の尾は生えていないということは、見落とされがちな点です。いったい、馬の尾をもっていない人間が、馬の尾の貴重さを語ることに意味があるでしょうか。馬の尾をふさふさとゆらしながらしかも人間であり続けることの煩雑さが、彼らにわかるのでしょうか。私としましては、世の論調に左右されることなく、日々自らの馬の尾と対峙した上で、ご自分の結論を出されることこそ、望ましいと存じます。その際、どうぞご家族とも話し合われますよう。自らが馬の尾をもつということと、夫が、あるいは父が、息子が馬の尾を生やしているということは、全く違う意味を持っています。あなたの尾は、決してあなただけの尾ではないことをどうぞ忘れずに。あなたが存分に熟考され、悔いのない方法を選びとられますことを、祈ってやみません。
[PR]
by atohchie | 2002-04-01 23:22 | 缶詰製作中(書斎より)


阿藤智恵の「気分は缶詰」日記/劇作家・演出家・翻訳家(執筆中は自主的に「缶詰」になります)=阿藤智恵の日記です。


by atohchie

プロフィールを見る

S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30

タグ

(104)
(19)
(11)
(11)
(5)
(1)

カテゴリ

ごはん/おちゃ/おかし
はな/みどり/そら
きもち/ココロ/げんき
ひと/たび/であい
みる/きく
ごちゃごちゃ亭(お客さま)
水曜日は本の話
お題をいただきました
缶詰製作中(書斎より)
缶詰開缶中(稽古場より)
缶詰実験室(お芝居への道)
缶詰召し上がれ(ご案内)
缶詰メモ
缶詰用語の解説

阿藤智恵NEWS

●脱原発世界会議に賛同します。安心できる明日を子どもたちに。
脱原発世界会議

●阿藤智恵サイトを更新しました
阿藤サイト
こちらをクリック
更新日:2013年12月31日(火)

◆これからの阿藤智恵◆
072.gif1月19日
「第3回JAZZ&お話ライブ」
072.gif1月23日
「どこそら会」
072.gif3月8・9日
「『えんげき』のじゆうじかん」の
小さなお芝居の会と「ちえよむ会」

●戯曲集『十六夜の月』を出版しました。
テアトロ1月号
ご購入は阿藤智恵への直接注文または書店にてご注文ください。また、ネット書店でも購入できます。


●受賞しました。
d0024220_16184139.jpg
加藤健一事務所vol.83 「シュぺリオール・ドーナツ」
念願の翻訳デビュー、果たしました!
067.gif→本作品で、第5回小田島雄志・翻訳戯曲賞をいただきました。加藤健一さん、演出の大杉祐さんはじめ公演座組の皆さん、また、翻訳作業にお力添えを下さった多くの方々に、心から感謝します。

●戯曲『死んだ女』が雑誌【テアトロ】2013年1月号に掲載されました。テアトロ1月号

★『どこまでも続く空のむこうに』の劇評をいただきました!!大変な力作です。ぜひご一読ください。2012.4.19
こちらをクリック=
劇評サイトWonderland



●戯曲『どこまでも続く空のむこうに』が雑誌【テアトロ】2012年4月号に掲載されました。
テアトロ4月号



●小説『マチゾウ』で同人誌【突き抜け4】に参加しました。
突き抜け4
ご購入はこちらへ(「阿藤サイトから」と一言お書き添えくださいませ)。


★『曼珠沙華』の劇評をいただきました!!

ぜひご一読ください。2011.10.26
こちらをクリック=
劇評サイトWonderland


●公演終了しました。

Pカンパニー番外公演その弐「岸田國士的なるものをめぐって~3人の作家による新作短編集~」竹本譲さん、石原燃さんと、短編を1本ずつ書きました。私の作品タイトルは『曼珠沙華』です。
★雑誌『テアトロ』10月号に三本そろって掲載されています。
テアトロ10月号

●連載エッセイ「本日も行ったり来たり~トハナニカ日記~」
雑誌【テアトロ】2012年1月号に最終回が掲載されています。
テアトロ1月号

●日記のお題、ください!
阿藤への質問、お悩み相談、どのようなことでもどうぞ。心こめて書かせていただきます。
お題は阿藤へのメール、または、日記へのコメント(どの記事につけてくださってもOKです)でどうぞ。



●戯曲『十六夜の月』が雑誌【テアトロ】2011年7月号に掲載されました。
テアトロ7月号

●小説『ツヅキ2011』で同人誌【突き抜け3】に参加しました。
突き抜け3
ご購入はこちらのフォームへ(「阿藤のブログから」と一言お書き添えくださいませ)。


●戯曲『バス停のカモメ』が雑誌【テアトロ】2010年1月号に掲載されました。
テアトロ1月号

●戯曲『しあわせな男』が雑誌【テアトロ】2008年10月号に掲載されました。
テアトロ10月号

●石井ゆかりさんの
「石井NP日記」で
インタビューを受けました。
こちらの
「ロードムービー・その1」
で5番目にインタビューされています。

以前の記事

2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
more...

ライフログ



















































フォロー中のブログ

一寸の虫にも五分の魂
K+Y アトリエ一級建築...
文学座大好き
イノレコモンズのふた。
ばーさんがじーさんに作る食卓
クロアキのつぶやき
村人生活@ スペイン
Faunas & Flo...
Jam's Blog
Lily's BLOG
neige+ 手作りのあ...
世に倦む日日
身近な自然を撮る
今日のマイルス Blog
キョウハ、ナニシヨウカシラ?
にわとり文庫
百一姓blog
喫茶ぽてんひっと
Junichi Taka...
おひとりさまの食卓plus
sousouka
オーガニックカフェたまりばーる
ひとり芝居、語り、ダンス...
縄文人(見習い)の糸魚川発!
野田村通信ブログ(旧)
菅野牧園
team nakagawa
olive-leafs ...
東日本復興支援 ヒューマ...

検索

ブログパーツ

その他のジャンル