郷に入れば郷に従う原爆忌

つまりあれです。
日本の夏の気候はもう、東南アジアの仲間入りをとっくにしてるのです。
東南アジアであるならば、東南アジアらしく生きればいいではないですか。
つまり、暑い日は外で過ごすのです。
家の周りで一番涼しいところに陣取って、風に吹かれるのです。

今日のようにカンカン照りの夏の日、我が家の一番涼しい場所はここです。
d0024220_2263419.jpg
玄関前のポーチから臨む竹林は最高。
ここでは風の途切れることがない。
玄関前の、階段の上。
集合住宅で言うところの「共有スペース」であるからして、
わがもの顔に占拠するのはいかがなものかと遠慮が働いていたのですが
ふと、気付いたのであります。
今やここは熱帯なのだ。
郷に入れば郷に従え。
竹林を渡る、この風に吹かれることこそ、王道なり。
d0024220_2211456.jpg
かくして床に水を打ち、椅子を出して座る。
座って何をするかというと仕事である。
そこまでは王道である。
東南アジアの女も外に座ったらば仕事をするであろう。
しかし私の仕事はちょっとばかしずれていた。
今日、締め切りが一番切実なのは翻訳仕事の読み仕事であった。
英語の細かい文字で記されたイギリス戯曲を読むのであった。
風に吹かれながら、膝の上では、はなはだ読みにくいのであった。
椅子の向きを変え、身体の向きを変え、
ため息をついて竹林を見上げてはうっとりしてしまい、
まるではかどらないでいたら、お隣さんが出てこられた。
ぎょっとするかと思いきや、お隣さんは平然としていた。
「暑いですもんねぇ!ここはやっぱり涼しいですか?」と。
たった一人しかいないお隣さんが外出されたからには
ここを通る人はもはや新聞配達のおじさんだけだ。
そのおじさんも、私がちょいとお茶を飲みに部屋に入っている間に
苦労してドアポストに新聞を差し入れて行った。
そこで私はどうしたか。



d0024220_2216328.jpg
机を出したのである。
d0024220_2226423.jpg
玄関の内側から見るとこういう状態。
d0024220_22171157.jpg
これはもう「東南アジア」ではない。
外階段を上ると、突如現れる書斎。
どちらかというと私の『しあわせな男』の世界に近くなってきた。
ごめん。東南アジア。
やっぱり私、染まりきれなかった。
机を出したら、やっぱり仕事ははかどった。
やっぱり私、日本人だったらしいよ。
このまま暑さが続いたら、私はここに、迷うことなくパソコンを出すであろう。
d0024220_22242584.jpg
今日の夕焼けは、南の島のように美しかった。

夕方、散歩に出たら道に子猫が死んでいたのだ。
母に電話して、庭に埋めてやれるかと尋ねたら、許しが出た。
小さな箱に露草を敷き詰め、小さな体をそっと運んだ。
モミジの大きな木の根元に母と穴を掘って、
庭のお花と、ねこじゃらしと一緒に埋めた。
猫が本当にねこじゃらしで遊ぶかどうか知らないけど
そうだったらいいなと思った。
ほんとに悲しかったんだよ。

今日は、原爆忌。
命はみんな、理不尽にたちきられることなく、生きていたいんだ。
[PR]
by atohchie | 2011-08-09 22:33 | 缶詰製作中(書斎より)


阿藤智恵の「気分は缶詰」日記/劇作家・演出家・翻訳家(執筆中は自主的に「缶詰」になります)=阿藤智恵の日記です。


by atohchie

プロフィールを見る

S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

タグ

(104)
(19)
(11)
(11)
(5)
(1)

カテゴリ

ごはん/おちゃ/おかし
はな/みどり/そら
きもち/ココロ/げんき
ひと/たび/であい
みる/きく
ごちゃごちゃ亭(お客さま)
水曜日は本の話
お題をいただきました
缶詰製作中(書斎より)
缶詰開缶中(稽古場より)
缶詰実験室(お芝居への道)
缶詰召し上がれ(ご案内)
缶詰メモ
缶詰用語の解説

阿藤智恵NEWS

●脱原発世界会議に賛同します。安心できる明日を子どもたちに。
脱原発世界会議

●阿藤智恵サイトを更新しました
阿藤サイト
こちらをクリック
更新日:2013年12月31日(火)

◆これからの阿藤智恵◆
072.gif1月19日
「第3回JAZZ&お話ライブ」
072.gif1月23日
「どこそら会」
072.gif3月8・9日
「『えんげき』のじゆうじかん」の
小さなお芝居の会と「ちえよむ会」

●戯曲集『十六夜の月』を出版しました。
テアトロ1月号
ご購入は阿藤智恵への直接注文または書店にてご注文ください。また、ネット書店でも購入できます。


●受賞しました。
d0024220_16184139.jpg
加藤健一事務所vol.83 「シュぺリオール・ドーナツ」
念願の翻訳デビュー、果たしました!
067.gif→本作品で、第5回小田島雄志・翻訳戯曲賞をいただきました。加藤健一さん、演出の大杉祐さんはじめ公演座組の皆さん、また、翻訳作業にお力添えを下さった多くの方々に、心から感謝します。

●戯曲『死んだ女』が雑誌【テアトロ】2013年1月号に掲載されました。テアトロ1月号

★『どこまでも続く空のむこうに』の劇評をいただきました!!大変な力作です。ぜひご一読ください。2012.4.19
こちらをクリック=
劇評サイトWonderland



●戯曲『どこまでも続く空のむこうに』が雑誌【テアトロ】2012年4月号に掲載されました。
テアトロ4月号



●小説『マチゾウ』で同人誌【突き抜け4】に参加しました。
突き抜け4
ご購入はこちらへ(「阿藤サイトから」と一言お書き添えくださいませ)。


★『曼珠沙華』の劇評をいただきました!!

ぜひご一読ください。2011.10.26
こちらをクリック=
劇評サイトWonderland


●公演終了しました。

Pカンパニー番外公演その弐「岸田國士的なるものをめぐって~3人の作家による新作短編集~」竹本譲さん、石原燃さんと、短編を1本ずつ書きました。私の作品タイトルは『曼珠沙華』です。
★雑誌『テアトロ』10月号に三本そろって掲載されています。
テアトロ10月号

●連載エッセイ「本日も行ったり来たり~トハナニカ日記~」
雑誌【テアトロ】2012年1月号に最終回が掲載されています。
テアトロ1月号

●日記のお題、ください!
阿藤への質問、お悩み相談、どのようなことでもどうぞ。心こめて書かせていただきます。
お題は阿藤へのメール、または、日記へのコメント(どの記事につけてくださってもOKです)でどうぞ。



●戯曲『十六夜の月』が雑誌【テアトロ】2011年7月号に掲載されました。
テアトロ7月号

●小説『ツヅキ2011』で同人誌【突き抜け3】に参加しました。
突き抜け3
ご購入はこちらのフォームへ(「阿藤のブログから」と一言お書き添えくださいませ)。


●戯曲『バス停のカモメ』が雑誌【テアトロ】2010年1月号に掲載されました。
テアトロ1月号

●戯曲『しあわせな男』が雑誌【テアトロ】2008年10月号に掲載されました。
テアトロ10月号

●石井ゆかりさんの
「石井NP日記」で
インタビューを受けました。
こちらの
「ロードムービー・その1」
で5番目にインタビューされています。

以前の記事

2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
more...

ライフログ



















































フォロー中のブログ

一寸の虫にも五分の魂
K+Y アトリエ一級建築...
文学座大好き
イノレコモンズのふた。
ばーさんがじーさんに作る食卓
クロアキのつぶやき
村人生活@ スペイン
Faunas & Flo...
Jam's Blog
Lily's BLOG
neige+ 手作りのあ...
世に倦む日日
身近な自然を撮る
今日のマイルス Blog
キョウハ、ナニシヨウカシラ?
にわとり文庫
百一姓blog
喫茶ぽてんひっと
Junichi Taka...
おひとりさまの食卓plus
sousouka
オーガニックカフェたまりばーる
ひとり芝居、語り、ダンス...
縄文人(見習い)の糸魚川発!
野田村通信ブログ(旧)
菅野牧園
team nakagawa
olive-leafs ...
東日本復興支援 ヒューマ...

検索

ブログパーツ

その他のジャンル