どこにでもある不幸

今日はびっくりした。
不幸ってどこにでも転がっているのですね。

Pカンパニー公演のAプログラムはダブルキャストなので、
あらためて千葉さんの方を見にいったのだ。
どうせ出かけていくならと、昼のBのほうも見た。
開演前は時間がなくてコンビニで買ってすませちゃったから
昼夜公演の合間にまともなものを食べようと思った。
おしゃべりなんぞして、本屋に寄ったら小一時間もなかった。
それでもスタジオの近くには好きなカフェがある。
あそこで、たとえ30分でもゆっくりしようと思ったのだ。

お店にはきれいな若い女性の二人連れだけで空いている。
ラッキー。

不幸はここから始まった。



ご飯を注文して買ったばかりの文庫本をパラパラしていたら
彼女たちの話し声が耳に入ってきました。

裁判員裁判の話をしているようだ。

死刑判決が出たでしょう、あれには考えさせられちゃった。
ネットで見ていたら、他人事としか考えてない発言が多いよね。
そうそう、他人事なんだよ皆。
自分のこととして考えたらあんなこと、書けないはずよね。
でもそうやって考えると、裁判員裁判なんて、ちゃんと機能するのかなとも思えちゃう。
自分だったら冷静に判断できないかも。
だって重大事件が対象でしょう。

そこから最近起こった恐ろしい事件についての話になりました。
猟奇的な殺人事件についての詳しいレポートが嫌でも耳に入って来ます。
ねぇ、ここって、ご飯を食べるお店だよ。
そこまで話さなくてもいいじゃん。
彼女たちも遅い昼ご飯を食べたと見えて
テーブルにはハヤシライスのお皿が残っている。
そんなところでどうしてそういうことを
くわしーく話せちゃうかなあ……

こうなると、私のほかに誰も客がいないことが恨めしい。

ご飯粒の一つ一つを見きわめようと努力したり
お店に流れる音楽を必死に聴いて
耳に入ってくる詳細な描写を映像化するまいと頑張る私。
悲しい。

そのうちにひとりがトイレに立ちました。
残った一人は即座に鏡を出し、前髪を直している。
裁判員裁判の是非について考えるあまり
凶悪犯罪に興味があって話が止まらない彼女は
同時に自分の前髪を美しく保つことにも熱心なのである。
私はそんなきれいな彼女と眼があってしまったので
心で「私、食事中なので、あまり恐ろしい話はしないでください」と訴えてみた。
なんとなく、通じたような気がした。
でも気のせいでした。
前髪を直していた彼女は、
そうしながら、事件について携帯電話で検索もしていたらしい。
中座したひとりが戻ってくると、さらに詳しい描写が始まった。

あと10分くらい時間はあったのだけれど
私は慌てて器に残ったご飯を平らげて
お茶は飲み干さず、慌ててお店を出ましたとさ。
あー。
ご飯の味、ほぼわからなかった。

悲しいひるやすみのお話。
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by atohchie | 2010-11-26 22:24 | きもち/ココロ/げんき


阿藤智恵の「気分は缶詰」日記/劇作家・演出家・翻訳家(執筆中は自主的に「缶詰」になります)=阿藤智恵の日記です。


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